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2010/02/21 (Sun) 夕陽にさしこまれる

すべて嘘だというように線香は燃えて


君の肌はいつも白粉のにおいがする
手招きされて
日焼けした畳に散らされる服を拾う
頁をめくる古本屋の小説
黄ばんだ部屋だと言い聞かせながら
それでも西日がないか不安になる
線香を燻らせながら君は歌う
寝息のように蛇行した声と煙をぬって
肩がいやに白いと僕は思いながら服を投げて寄越す
君は歌うのを止めて
夕焼け雲に燃やされた色だと言う
笑う

白粉のにおいのする人を姉さんと呼ばないことよ

服の皺が揺れる
姉は線香を揺らす
数秒遅れて鼻が襲われる
焼けるにおいはしない

姉が燃やしているのは記憶なのだと美化してしまいたい
鼻で笑われることは分かっていても僕は言い聞かせる
蛇行して蛇行して絡まって壁になる
壁を切り開いて夕陽がさしてしまう
怖い

線香が腐らなくて拾ったのは縮れ毛だった
水気を帯びた夕陽がさしこんだ時に

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